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【天野純治×鎌谷伸一 「版表現−シルクスクリーン」】
 開催期間:2011年10月17日(月)〜10月29日(土)
12:00〜19:30 *火曜休廊

<展覧会概要>
シルクスクリーン作家、天野純治と鎌谷伸一による2人展。
もともと商業用に使われていたシルクスクリーンが芸術作品として本格的にアート・シーンに登場するのは、1957年イギリスでシルクスクリーン専門工房であるケルプラ・スタジオが設立されポップアート作家たちの作品が制作されたのを皮切りに、1962年アメリカでアンディー・ウォーホルが肖像写真をもとにモンローやプレスリーなどのアイドルの姿をキャンバスにシルクスクリーンで刷った作品を発表し注目を集めて以降のこと。
1970年代に美術大学に在籍していた天野純治、鎌谷伸一はこれに着目し、現在までその技法、精神ともに研鑽を重ねてきた作家である。

天野純治は国内外で高い評価を受け活躍中の作家であり、かつ関東圏の多くの美術大学にて教鞭をふるっている。 平面の物質性を追究する作品で定評のあり、常に真摯に、平面と絵画表現の臨界に取り組み続けている。その表現は版画にとどまらず、近年ではシルクスクリーンの版を用いて モデリング・ペーストで地を作ったアルシュ紙にアクリルや顔料の層を重ねる版技法による"色彩の物質化"とのような絵画作品も多く制作している。
鎌谷伸一は藝大時代に同級であった柴田敏雄、辰野登恵子たちとともにシルクスクリーンの教室を作り、自らの手で試行錯誤しながらその技術を身につけた。写真製版によるシルクスクリーンが主流であったにもかかわらず、手描きによるブロッキング法により独特の緊張感のある画面を表現し、《Pine Tree》シリーズに代表される作品を世に送り出した。 また、優れた教育者でもあり、99年に病を得てからも愛弟子・滝口志保とともに女子美術大学にて多くの作家を育てた。09 年10月25日に61才という若さで亡くなったことが本当に惜しまれる。
版表現−シルクスクリーンの魅力と可能性を感じていただきたい。



<作家略歴>

天野純治 AMANO Junji
1949 鳥取県米子市生まれ
1977 多摩美術大学大学院修了
現在 女子美術大学芸術学部美術学科洋画専攻(版画)非常勤講師、日本版画協会会員

1995~1996 文化庁派遣芸術家在外研修員として渡米、NY.及びフィラデルフィアにおいて制作活動を行う
2000 DOMANI 明日2000(以降'02)/安田火災東郷青児記念美術館(東京)、天野純治・岡本敦夫-痕跡-/米子市美術館(鳥取)
2003 絵画の力展/東京都現代美術館(東京)
2004 HANGA東西交流の波展/東京芸術大学大学美術館(東京)、版の記憶/現在/未来 /東京芸術大学美術館陳列館(東京)
2007 「旅」展/国立新美術館(東京)

個展、グループ展多数
作品収蔵先
サンフランシスコ近代美術館、クラコウ国立美術館、ワシントンDC米国国立議会図書館、大英博物館版画室、シンシナティー美術館、和歌山県立近代美術館、東京都現代美術館、黒部市美術館、ティコティン美術館、文化庁、ドレスデン版画素描館、ペンシルバニア大学、多摩美術大学,武蔵野美術大学,創形美術学校、俵美術館、フォーエバー現代美術館、山梨県立美術館、府中市美術館、他 

鎌谷伸一 KAMATANI Shinichi

1948 兵庫県に生まれる
1975 東京藝術大学大学院版画専攻修了
1976~09 女子美術大学非常勤講師 10月25日没

1990~1991 文化庁派遣芸術家在外研修員として渡米
1994 果実の受胎−駒井哲郎と現代版画家群像展/埼玉県立近代美術館(埼玉)
1998 個展(以降'99'09'11)/ギャラリーゴトウ(東京)
2002 菅原猛企画、個展(以降'11)/色彩美術館(東京)
2009 ベンと私−中里斉(ペンシルバニア大学)と文化庁芸術家在外研修員展/養精堂画廊(東京)

個展、グループ展多数
作品収蔵先
東京国立近代美術館、東京都美術館、ブリヂストン美術館、大英博物館(イギリス)、栃木県立美術館、横浜市民ギャラリー、町田市立国際版画美術館、埼玉県近代美術館
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